事業フロー![]() 著者 久保田茂よりメッセージ
昭和二十四年に宮崎県都城(みやこのじょう)市の貧しい豆腐屋の三男坊として生まれて六十年――。
私のこれまでの人生は、自分の「思い」を貫いて生きた人生でした。 幼少期、まだ五歳になるかならないかの頃、近所のお茶工場へお茶の葉を摘んでいってわずかな駄賃(だちん)をもらい、そのお金で買ったアメ玉の甘さに感激しました。
その時、 「こんなうめえもんがいつも食えるなら、いつか自分も工場を持つど」 と思いました。
その「思い」が私の人生の原点でした。 しかしその後、希望の高校受験に失敗し、しょうがなく落ちこぼれや不良が集まる高校に行きました。 きかんきが強く、好き勝手に生きてきた私でしたが、この当時は「俺なんてろくなもんになれんじゃろなあ。 親父みたいにもなれんじゃろなあ」と、自信を失っていました。 この落ちこぼれ高校の校長だった岡薗助左衛門先生が朝礼で毎朝のように生徒に向かって言い続けた言葉が、
「やろうと思えば、誰にでも、できるんじゃから!」 です。
この校長先生の言葉によって、私は、自分のような落ちこぼれでも、やると思い続ければ、何かができるかもしれないと、前向きに考えるようになりました。この校長先生と巡り逢えたことが、私の人生の中で、最大の幸運の一つでした。校長先生はまさに「人生の恩人」です。
私の人生を振り返れば、つらいとき、苦しいときが幾度もありました。
十八歳で人生修業のつもりで東京に出たばかりの頃、仕事の厳しさを知り、涙がぽろぽろ止まりませんでした。 その後、昭和五十年に宮崎に帰ってきて自動車解体業を始めたものの、一台も車が買えずに過ごした日々。 昭和六十一年にはバイク事故を起こし、両手両足が動かなくなり、もはや人生これまでと覚悟しました。 しかし家族の支えと社員の頑張りのおかげで会社をつぶすこともなく、八か月のリハビリとトレーニングの末になんとか社会復帰できました。 そして、会社がようやく大きくなってきた平成五年には、幹部社員の反乱に合い、苦渋の決断(社員の半数を解雇)をしました。
平成十三年に現在の敷地である宮崎市細江に、会社として三回目の移転をしましたが、そのときに銀行様から多額の融資を受けました。その後、業績が落ち込み、手持ち現金がどんどん減って行き、返済がどうにも苦しくなったとき、毎晩のように会社に最後まで残っては、 「このままでは返せるメドが立たない。いっそ自殺して、生命保険金で返済してもらうよう、後のことは、息子の泰規、妻のフミ、社員さんたちに任せるか。じゃあ、どこで死ぬと一番迷惑をかけないで済むか……」 と真剣に考えたこともありました。
しかし、私は考え抜いて、
「どこで死のうが、結局、皆に迷惑をかけてしまう。だったら、なんとしても生き抜いて、借金を返せるよう死ぬ気で働かなきゃいかん」
と思い直しました。 そんな苦しいとき、つらいとき…… いつも私の心に火をつけてくれたのは、あの校長先生の言葉でした。
「○○したいな」「○○のようになりたいな」 といつも胸に抱く。
思って思って思い続ければ、私みたいな「元おちこぼれ」でも、生き抜いてくることができました。 これだけの会社を持つことができました。 校長先生が言ったとおりです。 誰だって、思い続ければ、どんなに困難に見える願いでも、いつか必ずその「思い」は実現します。 その一念は、自分の行動を変え、周囲の人たちに伝播し、そして遂には天に通じます。 まさに「一念岩をも徹(とお)す」です。
そして、久保田オートパーツが、わずか三百坪の小さな鉄くず屋だったところからここまでの会社になれたのは、決して私一人の「思い」によるものではありません。
日本全国、南は沖縄から北は北海道まで、本当にたくさんの会社の社長様たちに、快く会社を見学させていただき、その良いところを取り入れさせていただいたり、社長としての生きざまを教えていただいてきました。
また、多くの先生方に経営や生き方について教えていただきました。それらのとてもとても大きなご恩のおかげでいまの久保田オートパーツがあります。 お世話をしていただいた社長様たちや先生方には言葉では言い尽くせぬほど感謝しております。この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。 人生も、会社経営も、ます自分の「思い」は絶対に必要です。
しかし一人の「思い」だけでは決してやっていけません。 人様に感謝し、そして人様から学ばせていただく、これがとても大切です。そして受けたご恩を返そうと生きる。そうしてこそ、人生の意味があり、人生の発展があるのだと思います。 私はいま、社員さんたちに朝礼や社員勉強会など、ことあるごとに、このことを言っています。 「ます思うことが大切だ」「そして学ぶことが大事だ」 と。お蔭さまで、いま、うちの社員さんには、夢や希望を持った前向きな人間が大半を占めるようになってきました。
本書は、これまでお世話になったたくさんの方々へのお礼の意味もこめて、私の人生と「思い」を振り返り、上梓させていただいたものです。 縁あって本書を手にとり、まさにいま読み始めたあなた様。読んでくださり、本当にありがとうございます。 本書を読んで、少しでもあなた様が「思い続ければ、誰でも必ずできる」という言葉に共感されたなら、こんなに嬉しいことはありません。
平成二十二年一月吉日 久保田 茂
< ご購入方法 > 購入ご希望の方は、久保田オートパーツ TEL:0985-62-3939 に直接お問い合わせください。 |
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久保田社長の自叙伝『一念岩をも徹す』









